遺手紙「貴女はもう忘れたかもしれないが」

再会

○あなたはもう忘れたかもしれないが

操さんの下宿のおじいさん憶えてますか?
操さんを養女にしたいとかいった感じでしたね。

日本人コミュニティーにどっぷり。
私はあなたの影に隠れて、ひっそりむっつり。

長い髪にあごひげ口ひげかかとの高い木靴を履いて
白いパンタロンに袖の長いカーデガン。
まるでキリストみたいでしたね。

○あなたはもう忘れたかもしれないが

春になって私だけ先にデュッセルへ旅立ちました。
ここから何か突破口を開くつもりでした。

東京からもと彼があなたを追ってストックに来ましたね。
私が針金細工を知った直後に、
あなたはデュッセルへとやってきました。

一大決心でしたね。デュッセルドルフの中央駅での再会。
映画のシーンのようにはいきませんでしたが、
一生忘れることのできない名シーンです。
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