僕の幸せは、星をめぐるように。


――はっ、夢か……。


真っ暗な自分の部屋の中。


早めに出しすぎた厚手の布団のせいで、Tシャツの背中と布団が汗で湿っていた。

布団を外側から抱きしめるように寝返りを打つ。


『……ごめんね』


阿部くんの弱々しい囁きは、頭の中にからみついたまま。

でも、唇の感触と抱きしめられた温もりはまだ確かに残っていた。


ズキズキとドキドキが交互に訪れる。


またわたしは告らずしてフラれてしまったのだろうか。(クニオの時とは状況が違うけど!)


分からないし、知るのも怖い。

だけど、気になって仕方がない。


あの『ごめんね』はわたしだけに宛てられたものではないように思えたのだ。


そういえば、阿部くんは普通の会話でも『ごめんね』って言葉をよく使う。

彼は何に対して謝っているのだろう。


『おれはこんなに幸せでいいんだろうか』って。

何をそんなに怖がっているのだろう。


胸が切なくて、ぎゅうぎゅうと痛む。


だけど、全然あきらめきれない。


ってか、ぎゅっとしてキスまでして、ごめんねって。

よく考えたら、全然意味分かんないし!


もう、その気にさせんじゃないわよ。

この女ったらし!

おいしいトシミちゃんは今が食べごろですよー?


――はっ! 


何だこのわたしのテンションは。

また変な夢を見かけていたようだ。



早く、また阿部くんに、会いたい。





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