初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
「終わったー!ってこんな時間!?」
やっと仕事が終わったのは21時を少し過ぎた頃。
北野課長もついさっきまでいたなのに、トイレにいっている間にいなくなっていた。
代わりに、デスクにチョコレートが一つ。
優しい上司だとしみじみ思いながら、総務のフロアで一人仕事を続けた。
定時後すぐに取りかかってこの時間に終わるとか…凄い仕事量だったんだ。
いや、私が遅いからかな…あぁその可能性大だな。
パソコンの電源が切れるのを待ちながら、ぼんやりとそんなことを思っていた私。
このフロアに人が来ていることに気付かなかった。
「仕事終わったか?」
「おわっ!!」
急に低音の心地よい声を近くで聞かされ、女子としてどうかと思う叫び声をあげてしまった。
驚いてイスごとバッと振り返れば、笑う和也さんが立っていた。
「び、びっくりするじゃないですか!」
「悪い、驚かせるつもりはなかったんだが…」
そう言ってまたクスクスと笑う和也さん。
そんなに笑うことないじゃない!
誰でもこの状況で声かけられたら驚くって!
…まぁ私みたいな叫び声あげる女子はいないと思うけど!!