初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
すると和也さんは溜め息をついて頭を抱えてしまった。


「か、和也さん?」


名前の呼び方だとか気にすることなく、頭を抱えた和也さんが心配になり思わずイスからおりてしゃがみこんだ。


「あの…」

「君は本当に俺の理性をいとも簡単に崩してくれるな…」

「崩すつもりは全然ないんですけど…」

「いや、さっきの発言は聞かなかったことにしてくれ」


そう言って再び頭を抱える和也さんが、拗ねてしまった子供に見えた。
いつも大人な雰囲気全開なのに、時々垣間見える子供な和也さん。

素直に可愛いと思う。


「ふふっ」

「何故笑うんだ」

「な、何でもないです」


さすがに可愛いとも言えないし、子供みたいとも言えない。
答えを濁した私に和也さんは納得がいってないように見えたが、「まぁいいか」と呟いた。


「機嫌も直ったみたいだしな」


機嫌…?


「…あ」

「もう頭になかったか」

「お恥ずかしながら…」


確かに和也さんから見たら機嫌を損ねていたように見えるだろう。
事実そうだし。
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