初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました

その後は和也さんの「帰るか」の一言で、会社をあとにした。

しかしすぐに離れるわけではない。
帰る方向は一緒で、乗る電車も一緒。
私のほうが一駅分長く乗るが、あまり距離はなく遠いとは感じない。


すぐに来た電車に乗り、大半は空いている席に座った直後あることを思い出した。


「何で私が残業していてあそこにいたって分かったんですか?」


あの時に聞けば良かったが、驚いてそれどころではなかった。
今なら落ち着いてはいるし、ゆっくり聞けるはずだ。


「北野課長が教えてくれたんだ。『彼女は残業している』って」


北野課長は私と和也さんの関係を知る数少ない一人。
わざわざ伝えに行ってくれたのかな?
そうだとするとやっぱり北野課長は優しい。

そんな平和なことしか頭にない私。
まさか、北野課長が和也さんの残業を見通して、私にあれだけの量の残業を渡したとは思わなかった。


「あ、和也さん次降りる駅ですよ?」

「降りたくないな」

「いや、でもですね…」
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