初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
「嫌?」

「嫌じゃないって!なんていうか…凄い緊張するし、自分が自分じゃなくなるというか」


必死に言うと、由依はニヤニヤとした顔でこちらを見ていた。

その顔が何かを企む顔にしか見えない。


「あの千夏がとうとう恋ですかー」

「え、恋⁉︎私が?江崎課長に?」

「あんた以外誰がいるのよ」


恋ってあれですよね?

あの…あれ?


「あのー…恋とは一体なんでしょう」


恐る恐る手を上げながら言うと、由依は「そこから?」と笑った。

恋愛なんてしたことない私に、恋とは?なんて分かるわけがない。

分かりませんという顔を見せると、由依はジョッキを置いて咳払いした。


「人それぞれです」

「そうなの?」

「うん。例えば一日の大半その人のこと考えてるとか、かっこよくみえるとか、目を合わせて話せないとか色々よ」


思わずメモを取りたくなった。
それぐらい由依の説明は、未経験の私にとっては分かりやすい。
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