初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
「そんなこと言われたのは初めてだ。」

「そ、そうなんですか?」

「あぁ。だからすごく嬉しいな」


勤務時間だというのに、ほのぼのとした空気が二人の間に流れる。

この空気が初めてに感じつつも、何だか幸せに思える。

そう幸せに浸っていると、江崎課長は何かを思い出した風に「あ」と言った。


「どうしました?」

「原に何か言われたか?」


…そういえば原さん『さっきの言葉お世辞とかじゃないからね』とか言ってたな。
江崎課長も聞いていましたよね。
隠したら…ダメですよね。

江崎課長にどう思われるか内心心配になりながら、原さんのお世辞といえる言葉を伝えた。


「原には倍以上の仕事が必要だな」

「可愛いなんてお世辞ですよ!私そんなことないですし」

「千夏は十分可愛い。だからもうちょっと自信を持て」


江崎課長はそう言いながら、私の頭を撫でた。

まるで子供によしよしとするみたいに。

その行動に私の心臓は止まるかと思った。
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