君の名を呼んで
俺の名前を呼べ
***

ーー3ヶ月後。


「雪姫ちゃん、今日引っ越しだよね。お昼で早退でしょ?」

BNPの私のデスクの前で、すずが台本を閉じながら言う。
私は彼女に微笑んで頷いた。

「うん。ごめんね、送れなくて。代わり頼んでおいたから」

「いいのいいの。こっちこそ手伝えなくてごめんね。でも会社から近くなるから、うふふ、遊びにいっちゃお」

にやにや笑うすずの頭に、ぽすん、と落とされたファイル。


「新婚家庭だ、遠慮しやがれ」

二人で見上げた先には、城ノ内副社長。
いつもながら飄々としたその態度に、すずが両手を握り締めた。

「く、阻止したい!けど雪姫ちゃんの花嫁姿も見たい!どうしたらいいの、あたし!」

「とりあえずそのファイル読んどけ。次のドラマの企画書だ」


そう、私は今日から、皇の部屋に住む。


私達は今日、入籍するーー。
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