冷徹御曹司は政略妻の初めてを奪う



「二人の話の意味が、わからないんですけど?」

紬さんに体ごとでれでれと寄り添いそうになる気持ちを抑えて、再び問いかける。

父さんが事故にあったと聞いて駆けつけたはずなのに、その原因も何もわからないまま、本筋からどんどん外れている。

「いい加減、父さんの事故のことを聞きたいし、それに……彩也子さんがここにいることも、教えて欲しい。……なんとなくは察してるけど」

小さくため息をつく私に、彩也子さんははっと息をつめた。

父さんとは特別な関係だろうという自分の予想はやはり正しい気がする。

そして、それを確認するように彩也子さんを見ると、彼女は緊張した面持ちで頷いた。

やっぱり。

私は、その場に立ち上がり、隣にいる紬さんの腕をそっと掴んだ。

服越しだとはいえ、その体温を感じてほっとする。

そして、まずは。

茅人さんのさっきの発言の意味を知りたくて、紬さん越しに茅人さんを見つめた。

「私を救出するための結婚って、一体どういうことですか?」

一語一語はっきりと問う私に、茅人さんはそれまでの軽い調子をふっと隠し、表情を整えた。

「瑠依ちゃんのお見合い相手として、最初に白羽の矢が立ったのは、俺だったんだ」



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