光のもとでⅡ
 会議が終われば桜林館に場所を移して入学式の準備。
 桃華さんは壇上に飾られるお花をいけていて、男子は椅子を並べる作業。私と嵐子先輩は、十数種に渡るプリントを一部ずつ綴じていく作業。
 桃華さん以外の人は単純作業と言えるものだった。
 横長のテーブルにプリントを並べ、一枚ずつプリントを手に取ってホチキスで綴じていく。流れ作業でそれを続けるため、黙々とテーブルの周りを回っていた。
 ……付き合うってどういうことを言うのかな。
 サザナミくんに言われた言葉が気になって、会話が終わってからもずっと考えていた。
「付き合うって……どういうことだろう?」
 口をついた言葉に嵐子先輩が大きな反応を示す。
「ちょっ! 翠葉っ、恋バナっ!?」
「えっ?」
「だって今っ、付き合うって言わなかったっ!?」
「あ……えと、付き合うってどういうことをいうのかが知りたくて……」
「それって対象は司だよねっ!?」
< 13 / 1,333 >

この作品をシェア

pagetop