光のもとでⅡ
「大丈夫大丈夫。うちでうまくやれてるんだ。ほかでうまくやれなくても問題ないよ」
 碧さんも零樹さんも、そんな俺の内情を知っていてもこんな調子だ。
 変に気を使われていない感じが心地いいと思う。でも、それとこれは別……。
 御園生の人間に混じって俺が一緒に顔を出すことには抵抗がある。
「唯兄、大丈夫だよ。おじいちゃんもおばあちゃんもお母さんやお父さんにはいい顔しないことがあっても、私や蒼兄にはとても優しいもの」
「ははは……それは孫だからですよ、翠葉さん。俺、赤の他人だからね?」
 この家族の中にいる分には自分がよそ者という感じはしない。それは一重にこの家族が俺を受け入れてくれているから。
 でも、これから行くところは違う。間違いなく「異分子」という目を向けられるだろう。
 初対面だし、どこからどう見ても「よそ者」なのだから仕方がない。
 普段はこんなに人の目を気にする性質じゃないけど、こればかりは気にせずにはいられない。
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