光のもとでⅡ
「涼さん、来年も七夕祭りをしたいです」
「いいですね。年中行事にしましょうか。来年には楓と果歩さんの子どももいますし、もしかしたら湊と静くんの子どももいるかもしれない。家族が増えてもっと賑やかになるでしょう」
「そうですね。そんな未来が楽しみです」
 花火も終盤を向かえ、線香花火で片付けの分担をすることになった。
 線香花火をより長く落さずにいられた人が勝ちというルールで、一位は翠葉ちゃん。二位は私、三位が果歩ちゃんだった。
「じゃ、翠葉ちゃんと司は花火の片付け。お義母さんとお義父さんは笹の片付け。私と楓さんはバーベキューの片づけで!」
 軽快に果歩ちゃんが割り振ったものの、翠葉ちゃんがとても気まずそうな顔をしていた。
「これ、毎年恒例にしましょう?」
 来年は翠葉ちゃんが三位かもしれないでしょう?
 そんな思いをこめて口にしたけれど、翠葉ちゃんはそれくらいでは身を引かなかった。
「あの、果歩さんは妊婦さんなので私がっ――」
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