片恋シリーズ~鎌田公一編~
爪先から頭のてっぺんまで舐めるように睨まれ居心地が悪い。でも、こんな目で見られるのは二回目だった。デパートで一緒にいた人も同じような視線を向けてきた。そのとき同様、御園生が友達である旨を伝えると、
「まだ、全体通信終わらないのよ。もう少しだけ待ってて?」
御園生はその女子に腕を掴まれたまま、こちらに視線を戻した。
「……元気?」
「うん、鎌田くんは?」
「このとおり、元気。今日は部の先輩が連れてきてくれたんだ」
「そうなの?」
「うん。弓道部なんだけど、この学校にインハイニ位入賞の藤宮くんっているでしょ? 彼とインハイで一緒だった先輩がいて――」
隼人先輩を紹介しようとしたら、
「滝口隼人(たきぐちはやと)。海新の三年です。鎌田と同級ってことはニ年?」
実に違和感なく学年を尋ねる。
「まだ、全体通信終わらないのよ。もう少しだけ待ってて?」
御園生はその女子に腕を掴まれたまま、こちらに視線を戻した。
「……元気?」
「うん、鎌田くんは?」
「このとおり、元気。今日は部の先輩が連れてきてくれたんだ」
「そうなの?」
「うん。弓道部なんだけど、この学校にインハイニ位入賞の藤宮くんっているでしょ? 彼とインハイで一緒だった先輩がいて――」
隼人先輩を紹介しようとしたら、
「滝口隼人(たきぐちはやと)。海新の三年です。鎌田と同級ってことはニ年?」
実に違和感なく学年を尋ねる。