全部、抱きしめて
夜空を眺めるなんていつ以来だろう?
もうずっとそんなことなかったような気がする。

「今日は星がよく見えますね....」

そう言って、あたしはまた目を潤ませてしまった。

どうしたんだろう?
気分は落ち着いたハズなのに。
何だか、ものすごく泣けてきた。

「心が繊細な時って、自然のものを目にすると妙に感動するよな?」

「そうですね」

「好きなだけ泣けよ。オレしか見てないんだし」

大瀬良さんの言葉に涙が溢れた。

「うぅっ...。何であたしばっかこんな苦しい目に合わないといけないんだよ!」

ベソかきながら叫んでいた。

「一岡、よっぽどのことがあったんだな」

「ありましたよ! 聞きます? 聞かせてあげますよ!」

「聞くから、せめて声のボリューム下げろよ。近所迷惑かも」



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