恋はしょうがない。〜初めての夜〜 + Side Story ①&②




「あっ!あの、和彦さんは、今日は花園の予選があって…」


「ああ、ラグビーの試合ね」


母親の方が相づちを打つ。


「部員たちの引率してるんです。一旦、家に帰ってから、こちらへ来ると思います」


真琴はそう答えたものの、当然古庄にはここへ来ることは告げていない。
しかしその代り、アパートには置手紙をしてきた。



〈和彦さんの実家へ、ご挨拶に行ってきます。  真琴〉



古庄は、誰もいない暗いアパートに残されたそれを読んで、血相変えてここへ飛んでくるに違いなかった。



それから真琴は、自らいろいろと語るまでもなく、フレンドリーで真琴に興味津々の古庄の両親から、あれこれと質問された。


真琴も教員をしていて、世界史を教えていること。古庄とは今の職場で知り合ったこと。そして、真琴の実家のことなど。

古庄の両親は、古庄や晶のように特殊なオーラを醸すこともなく、真琴も身構えることなく、すぐに打ち解けられた。








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