恋はしょうがない。〜初めての夜〜 + Side Story ①&②




「気にしてないって、昼間も言っただろう?大丈夫。そのうち打ち解けられるよ」


と、古庄は真琴を抱きしめる腕に力を込めた。


「それに、俺は君さえこうやって傍にいてくれれば、他には何もいらないんだ。世界中の全部が敵になってもいい。…でもそれじゃ生きていけないし、君だって幸せじゃなくなる。君が幸せじゃないと、俺も当然幸せじゃない。だから、努力はするよ。…いや、君を愛しいと思えば、こんなこと努力でも何でもない」


そう語りながら、古庄は真琴の髪を撫で、頬を撫で、真琴の顔を覗き込んだ。

真琴は何も言わず、涙で潤んだ目で見つめ返してくれている。


そんな、かけがえのない愛しい存在を見つめると、想いが溢れてきて、その額にキスをした。
真琴のまぶたや頬や、その輪郭を形作るように唇を滑らせ、そして唇に口づける。


真琴も、古庄がそうしてくれるのを待っていたかのように、何度も自分から唇を重ねた。


すると、古庄の想いはますます熱を帯びて抑えが利かなくなり、腕の中にいた真琴を組み敷いた。

真琴の首筋に古庄の熱い息がかかり、唇はそのままそこを滑り降りていく。



「……待ってください。これ以上は、ダメです…!」


と、真琴は古庄の胸を押して、古庄の行為を中断させた。


「隣の部屋に両親が寝ているんですよ?…声が漏れたりしたら……」


真琴を組み敷いたまま、古庄は不服の表情を浮かべる。


「もう眠ってるだろうし、声は我慢できるさ。それよりも、一つの布団で君を抱きしめたまま何もできないことの方が、まるで拷問みたいだ」


古庄はそう言いながら、真琴のパジャマのボタンを上から順番に外しにかかる。


強行しようとする古庄に、真琴は焦りはじめた。



「…そ、それじゃ、…私。もう、自分の部屋に戻ります」


と、真琴が身をひるがえして布団から出て行こうとすると、


「ダメだ!行かさない!!」


古庄は真琴の両肩を掴んで、布団に押し付けた。





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