ルージュのキスは恋の始まり
「おい!今、無理にやらせればまた過呼吸になるかも知れないぞ」

 玲王が大河を睨み付けるが、大河は全く動じない。

「大丈夫。龍神さんもいるし、対処出来る人間がいれば問題ないでしょ。美優、おいで。これは美優の会社の社運がかかった仕事だよ」

 大河の目は冷たい。

 でも、社運と聞いて玲王の抱擁をゆっくり解くと、大河の後についてまた控え室に戻る。

「美優、何か悲しいことを思い出してごらん」

「そんな急に言われても・・・・」

「じゃあ、俺が言おうか」

 大河の目が妖しく光る。

「大河?」

「母さんが・・・美優の母さんが亡くなった時の事、覚えてるよね?あの時、美優は全く泣かなかった。何でかな?」

「・・・・」
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