ルージュのキスは恋の始まり
「おい、聞けよ!」

 俺が美優の耳元で怒鳴っても、彼女は目を閉じたまま動く気配がない。

 呆れていると、1分後位には美優のスウスウという寝息が聞こえてきた。

「マジかよ」

 大河に言われてブランデーを飲ませたが、こんな目に遭うとは思わなかった。

「大河の奴、わかってて言ったな。俺にも同じ苦痛を味わえってか?」

 腹黒い奴。

 だが、奴は俺に一番大事なものを託した。

 自分の腕の中で安心したようにすやすや眠る美優を見て思う。

 何度もこの寝顔を見てきて、ずっと手を出さないで・・・。

 俺ならありえないな。

 大河の理性を今なら褒めてやれる。
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