ルージュのキスは恋の始まり
 ストーカーの存在は俺も気になっていた。

 油断した隙を狙ってまた美優に近づいて来るかもしれない。

 幸い会社は同じだし、送り迎えには困らない。

「・・玲王の馬鹿。・・・・人でなし、悪魔、俺様・・・・」

 美優が俺の腕の中で寝言を呟く。

 ひでー寝言。

 俺の印象はそれなのかよ。

 だが、うなされて眠れなくなるよりはいい・・か。

「いつの間にか俺もすっかりお前の保護者だな、美優」

 今夜はこのままぐっすり眠れると良いのだが。

「これくらいの報酬許せよ」

 俺は顔を近づけて美優にそっと口づける。

 それから彼女を背後から抱き抱えるように眠ると、彼女から俺と同じムスクの匂いがした。
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