ルージュのキスは恋の始まり
「焼おにぎりか。いい匂いだな」

 玲王もテーブルに運ぶのを手伝ってくれて、2人で頂きますをして食べる。

「やっぱ、ご飯は誰かと食べないとな」

 玲王が嬉しそうに笑う。

 彼は食事中は新聞も読まないし、携帯もいじらない。

 きっとお母さんの躾が良かったんだろう。

 玲王はお味噌汁を飲むと、急に黙り込んだ。

「あっ、不味かった?」

「いや、お袋のに似てたからちょっとびっくりした」 

 その顔はちょっと哀しそうで、私は何て言ったらいいのかわからなかった。

「・・・私がお母さんに習ったのお味噌汁だけなの。小学生の時に亡くなったから。だから、他の料理は全部自己流だよ」

「そうか。お前も両親いなかったな」

 お前もってことは、玲王も両親がいないらしい。

 もっと知りたいけど、聞いてはいけない気がする。
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