ルージュのキスは恋の始まり
 俺が欲しい答えがここにある。

 大阪に向かう新幹線の中で、百合ちゃんが用意したお弁当を脇坂さんと食べる。

「百合ちゃんのお弁当うまいな」

 脇坂さんが本当に味わってるのかと思うくらいの速さでお弁当を平らげる。

「そうですね」

 そう言って俺はだし巻き玉子を口にする。

 この卵焼きも里芋の煮っころがしも百合ちゃんが作ったんじゃない。

 美優の味付けだ。

 俺は口角を上げた。

 そもそも百合ちゃんの卵焼きは味付けが甘いし。

「東京に戻ったら彼女の家に直行だな」

 俺はポツリと呟く。

「あ?なんか言ったか?」

「いいえ。何でもありませんよ」
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