ルージュのキスは恋の始まり
「大河さん、嘘ついてごめんなさい」

 百合ちゃんが土下座しそうな勢いで俺に謝る。

「いいよ。美優が口止めしたんでしょ?」

「はい」

「美優は?」

「今お風呂に入ってます」

「そう。じゃあ、ちょっと待たせてもらっていい?」

「・・・はい」

「お邪魔します」

 百合ちゃんの後について部屋に入る。

 この際だ、彼女の本のコレクションもついでに拝んでいこう。

 そう思ってた。

 リビングのテーブルに置いてある育児雑誌を見るまでは。

「・・・・」

 俺が何を見ているのかやっとわかった百合ちゃんは、慌ててその雑誌を隠す。
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