ルージュのキスは恋の始まり
「・・・そんな狡い!」

 悪魔のような微笑を浮かべ、俺は顔を近づけて百合ちゃんの唇を奪う。

 彼女の目は開いたまま。

 自分に何が起こってるのかまだ信じられないのだろう。

「現実だって楽しい事は一杯あるよ」 

 俺が百合ちゃんから離れても、彼女はまだ呆然としていた。

「・・・・どうして?どうしてキスなんかしたんですか?」

 百合ちゃんが泣きながら俺を見つめる。

「気になるんだよね。気がつくと考えるんだ。俺がいなくなっても百合ちゃんは大丈夫かなって。どうしてだと思う?」

「・・・・わかりません。だって、大河さんにとっては美優さんが一番でしょう?」

「美優の事は本当にもういいんだよ。今大事なのは百合ちゃんなんだ。百合ちゃん残してアメリカ行くのは心配なんだよね」

「私・・大丈夫です。大河さんがいなくなってもしっかり働きますから」
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