ルージュのキスは恋の始まり
「じじいの水戸黄門ごっこに誰が付き合うか」

「部下の報告だけでは足りない情報もあるわい」

 じじいの眼光がキラリと光る。

「最近、夜遊びが激しいとの報告を受けとるが、本当か?」

 じじいがチラリと橘美優を見る。

「本当だとしたら俺を解任するのか?」

「遊ぶ女は選べ。女にどっぷりはまるといつか身を滅ぼすぞ」

「それも一興」

 嘲るように笑うと、じじいの表情がますます険しくなる。

「とにかく、社員には手を出すな。ろくなことにならん。すでにこれだけ注目を浴びてればなおさらだ」

「俺は俺の好きなようにする。誰の指図も受けない。そういうあんたも、暴飲暴食は止めたらどうだ。もう若くないんだ。後継者決める前にポックリあの世に行くぞ」

「わしだって好きなもの食べて死ぬなら本望だ」

「会長、これでも玲王さんは心配して言ってるんですよ」

 片岡がすかさずフォローをいれる。
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