ルージュのキスは恋の始まり
 ドアが開く音がして、背の高い男性が2人入ってくる。

 2人ともハンサムだけど見覚えのない顔。

 思わず見構える。

 ネクタイ緩めてちょっとスーツを着崩してる方が、例の新社長だろうか?

「他のメンバーはまだなのか?」

 スーツを着崩した男性が、少しイライラした口調で聞いてくる。

「企画開発部の織田はもうすぐ来ると思います。私は研究開発部の橘です。これが、今日の打合せ資料になります」

 私が2人に資料を手渡すと、スーツを着崩した男性がじっと私の顔を見た。

「始めろ。時間がもったいない」

「ですが、織田がいないと・・・・」

「試作品は机の上にある。織田とか言う企画開発担当者がいなくても問題ない。社長の俺がいいと言ってるんだから、早く始めろ」

「・・・・」

 傲慢で俺様な社長。
< 7 / 391 >

この作品をシェア

pagetop