陽だまりをくれたきみが好き。


でも確かに胸の内が温かくなるのを感じてる。


充実感が、半端ない。


こんなに嬉しいことばかりだと、なんだか怖いなぁ……。



「……内田くん?」



改札の向こう側、一際目を引く存在が手をポケットに入れて、壁に背中をあずけてもの思いに空を見上げていた。


……息をのむほど美しい横顔。


アゴからのどぼとけ、鎖骨にかけてのラインが色っぽくて……って、私はいったいなにを考えてるんだろう。


頬を叩くと内田くんのところへ駆け寄った。



「おはようございます!」


「おぉ、来たか」


「待ってくれてたんですねっ!」


「まあな。行くぞ」



あぁ!ちょっと待ってくださいっ!


置いて行かれそうになって慌てて内田くんの横に並ぶ。


……歩くの、速いなぁ。


足が長いからか、短足の私は早歩きしないと追いつかないや。


なんて、そんなことを思っていた時。


ピタ!と足を止めた内田くんに私も立ち止まる。


え……?

なんですか……?


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