陽だまりをくれたきみが好き。



「俺、歩くの速い?」


「えっ…と、その……。はい……」


「だよな、ごめん」


「え?いやいや!全然!こちらこそ歩くの遅くてスイマセン!!」



らしくない内田くんの発言にこちらが改まってしまって……。


言葉を、空回りさせるように早口で言ってしまった。


早口なのと言葉がどもってしまうのは、もうクセになっちゃってるなって最近すごく思う。


……普通にゆっくり話せたらいいのにな。



「……行くぞ」


「は、はいっ!」



今度は歩幅を合わせてくれているかのように、ゆっくりと私の動きに寄り添うような歩み。


こういうところ。

……やっぱり内田くんは、優しいなぁ。


みんな内田くんのこと怖がってるみたいで、近づかないけど、そんなことないのに。


誤解、なのになぁ。


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