陽だまりをくれたきみが好き。



「うわ、今日は一段と豪華だな!」



お昼時になって水族館のちょっとした公園スペースにシートを広げ、お弁当を並べた。


遊具では子供たちが元気いっぱいに遊び回っている。


早瀬くんが私のつくるお弁当を毎日美味しそうに食べてくれるから、作りがいがあった。


明日はあんなのつくろうとか。

次はこれに挑戦しようとか。


早瀬くんは喜んでくれるかなっていつも考えながらつくってたよ。



「俺さ川口の手料理たくさん食って来たけどやっぱ卵焼きが一番好きだわ」


「でも一番最初に食べてもらったのは味つけし忘れてたよ……?」


「いや。でもなんかうめぇんだよな」



しみじみ早瀬くんがそう言って。

それがなんだかおかしくって笑ってしまう。



「なんで笑うんだよっ」


「ふふっ、ごめんね。なんかおかしくって……」


「変なヤツ」



……あぁ、すごく楽しいな。


高校に入学する前はこんな日が来るなんて思ってもみなかった。

想像すらしてなかったよね。


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