陽だまりをくれたきみが好き。
『あれ、なに。川口学校に来たの?』
久しぶりに教室に入った私に向けられたみんなの居心地の悪い笑い声。
『来なくていいのになぁー?』
『本当だよ。まじ空気よごれる。一緒の空気吸いたくねぇーよ』
『やだー。けがれるー』
みんなが息を止めて苦しむ仕草をしてケラケラ笑っていた。
だけど、反応、しなかった。
いちいち泣いてられなかった。
それが気に食わなかったのか、佐々木くんがいきなり私の背中に飛び蹴りをして来て、
倒れこむと思いっきり机で頭を打った。
痛い……。
『お前なんか一生いじめられてろ!』
……佐々木くんのその言葉がそのまま現実になるかのように、いじめは、小学校を卒業して中学校にあがってからも、続いた。
中学校は小学校からの持ち上がりだし、他の小学校からも生徒は来ていたけど同じ小学校だったみんなが私をいじめていたから同調して……。
いじめの輪はいとも簡単に広がって行った。
だから、せめて、高校は
同じ学校の人がいないようなところを受けようって、今の高校を受験した。
いじめられませんように。
人の悪意に、さらされないようにって願いを込めて。
……平凡でいいんです。
そんな日常を、私にください。
そんな毎日が、私にとっては奇跡なんだ。