陽だまりをくれたきみが好き。



『そんなのお母さんが許しません。不登校の娘なんか要らないから。学校に行かないなら出て行きなさい』



お母さんはすごく厳しかった。

私の気持ちを理解するよりも、学校に行かせようとすることに必死だった。



『学校には行きたくない……。人に会いたくない……』


『なんであなたってそんなに根暗なの?もうちょっと社交的で、かわいらしい女の子にはなれないの?』



ため息交じりのお母さんのその言葉に、とてつもなくショックを受けたのは、覚えてる。


……お母さんも、クラスのみんなと同じようなことを私に対して思ってたんだって。



『行ってきます……』



次の日から私は感情をなくしたように学校に行くようになった。


怖かったけど、お母さんにまでも嫌われたら私は……。


生きて、いけないから。


お父さんとお母さんは私が幼稚園の時に離婚して、私にはお母さんしかいないから。


せめて、お母さんにだけは嫌われないように。


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