陽だまりをくれたきみが好き。



彼の綺麗な横顔を無意識に見つめていると「そんなに見ないでくれる?」と言われて慌てて目線をずらした。


わわわッ!

私ってば!見すぎだから……!!


……と、その時。


ぐぅうう〜と、間抜けなお腹の音。

となりにいる彼を見ると、顔を真っ赤に染めあげる。



「なっ……なんだよ……っ」



慌てる彼がおかしくて、クスクス笑う。



「お腹が空いてるんですか?」


「……うるせぇ」



すねたような表情に、またお腹あたりをくすぐられる。


耳が赤くなってる……。


カバンの中からお昼のために作って来ていたお弁当を取り出すと彼に差し出した。



「これ……よかったら……」


「え?いいよ、いらねぇー」


「いいから、食べてくださいっ……」



遠慮する彼に強引にお弁当を手渡す。


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