元殺し屋と、殺し屋










闇の世界になんて、入らなければ。

両親が事故で死ななければ。

有咲の両親と弟が殺されなければ。



私たちが、

殺し屋になる必要もなかったのに。




全ては、

狂い、壊れていたんだ。




狂った歯車を戻すことは。

亡くなった有咲には不可能だ。




だけど、

私は戻す。



狂いながら回り続けている歯車を、

私が止めてみせるんだ。




だから私は、

殺し屋をやめると決めたんだ。




殺しは殺しをうむ。




殺しは人を傷つける。








もう2度と、

誰も傷つけさせないと、

私は・・・決めたんだ。








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