ずっと[短編]
 あたしの体が震える。

「いるって。絶対に」

「気のせいだよ」


「そう、そう。気のせいだって」



 そう言ったのはあたしじゃない。



 拓の体が震えた。


 彼にも彼女の声が聞こえたのだ。


 笑い声とともに彼女の姿が現れる。


 それもあたしたちが横たわっているソファのすぐ傍に座っていた。
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