裏腹な彼との恋愛設計図
「でも、翔吾くんは私の気持ちを知っても笑わなかった」


それどころか彼は、『根暗だろうがオタクだろうが、好きなら堂々としてりゃいいじゃん』と言った。

あんなふうに言ってくれたのは翔吾くんだけ。

あの時、私はなんだか勇気付けられたっけ。


「あの時から、翔吾くんっていい人じゃんって思ってたの」


得意げな顔でビールを呷る彼を、朝海は面倒臭そうに横目で見ながら言う。


「博愛主義者らしい恋愛観ね」

「朝海だって。いとこの彼のこと、翔吾くんが否定しなかったから救われたって言ってたでしょ」


鮮やかな緑色のカクテル、シーオブラブを口に付けた彼女は、そのままピタリと固まる。


「そんなこと言ってたの？　紗羽と違って、素直じゃねーな朝海は」

「……悪かったわね」


ちょっぴり頬を赤く染めてカクテルを飲む朝海に、私は翔吾くんと顔を見合わせて笑った。


翔吾くんには私も自信をもらったの。

三好くんのことを好きな気持ちは隠さなくていいんだって思えたから、私から積極的に話し掛けるようにしたのだ。

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