裏腹な彼との恋愛設計図
トイレにいないとなるとオフィス? でも、こっちも電気ついてなかったよね……。


「柊さーん……?」


不思議に思いつつオフィスを覗いて声を掛けると、暗がりの中で人影が動いた。

月明かりと外の街灯に照らされて、意外と電気をつけなくても中が見える。

柊さんは自分のデスクの椅子に深く腰掛けて、ぼんやりしているようだった。

ほっとしながら、なんとなく私も電気をつけずに彼のそばまで近寄る。


「ここにいたんだ……。大丈夫ですか?」

「あぁ、水飲んでただけだ」

「やっぱり結構飲んだんですね」

「それほどでもねぇよ」


素っ気なく返されるのはいつものことだけれど、なんだか今はこの闇のように暗い声色だ。


「花火やりましょうよ。もうあとちょっとで終わっちゃう」

「今そういう気分じゃないんだ」


あえて明るい調子で言ってみたものの、柊さんの声色は変わらず暗くて重い。

腕を組んで斜め下に目線を下げる彼は、何かを悩んでいるようにも見える。


「柊さん、なんか今日様子おかしくないですか? 何かあったなら私──」

「うるさい。ほっといてくれ」

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