裏腹な彼との恋愛設計図
「帰っちゃいましたね……」

「まぁ、社長達も気兼ねなく飲みたいだろうしね。私達だけでやりましょ」

「やろやろ~花火~!」


絵梨子さんはさっそくバケツに水を溜め始め、矢城くんは眠たそうに目をこすりながらもやる気満々。

ロウソクも用意すると、それぞれ手持ち花火に火をつけた。


勢い良く吹き出る色とりどりの炎、夜空に上っていく煙の匂い。

くるくると宙に円を描けば、光の筋がすうっと闇に消えていく。

懐かしさを感じながら、私達は子供心に返って楽しんでいた。


花火が半分くらい終わった頃、いつの間にか柊さんがいなくなっていることに気付き、辺りをキョロキョロ見回す。


「あれ、柊さんは?」

「さっきトイレ行ってくるって中入ってったぜ。あいつも結構飲んでたみたいだし、様子見に行ってやったら?」

「あ……わかりました」


古賀さんに言われて、私は花火を中断し、少し心配になりつつ会社の中へ入った。

さっき古賀さんが言っていた“もう一人ヤバそうなの”っていうのは、柊さんのことだったの?


玄関から右手のオフィスを過ぎ、奥の突き当たりがトイレになっている。

まずそこに向かってドアをノックしてみるけれど、何の返事もない。

というか、まず電気もついていないようだからいないのだろう。

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