裏腹な彼との恋愛設計図
何を抱えているのかはわからないけれど、少しでも彼を癒す力になりたい。

私に出来ること。

それはたぶん、呆れられてもバカにされても、彼に穏やかな愛情を注ぎ続けることかもしれない。


「……いい思い出がないなら、私と作りましょう?」


柊さんが、落としていた目線をゆっくり私へと持ち上げる。


「嫌な思い出を埋め尽くすくらい、これからいっぱい楽しい思い出を作ればいいんですよ。私もお手伝いします!」


あえて明るい調子で言ってみた。

そうすれば、柊さんにも笑顔が戻るような気がして。


「そうだ、線香花火やりましょう! あれは静かにやるものだから、会話がなくてもいいし」


柊さんが皆と盛り上がる気分じゃないなら、線香花火はもってこいかも。

思い付きで言うと、彼はおもむろに腰を上げた。

そして私の目の前に立ち、どこか遠くを見るように綺麗な二重の瞳をわずかに細める。


「……お前は変わってないな」

「──え?」


“変わってない”って、どういう意味……?

まるで、昔から私を知っていたみたいな言い方。

何かが胸の奥でざわめき始めるのを感じていると、彼の手がこちらに向かって伸ばされた。

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