裏腹な彼との恋愛設計図
自分に失望しながらレストランを出る。
会場ではちょうど会が始まろうとしていたけれど、今はもうどうでもいい。
教会を思わせるような重厚な木のドアが閉まる時、マイクを使って話す司会の人の声も閉じ込められた。
丸いブラケットで優しい明かりが照らされるレストランの外には、赤い椅子と小さな丸いテーブルが設置されている。
足を止めた柊さんが振り向き、そこで手が離された。
「ここで話すか?」
「あ……出来れば、二人になれる所がいいかなって……」
ここだとレストランに出入りする人がいるだろうから、落ち着いて話が出来なさそうだし。
そう思って言うと、柊さんは意地悪そうに目を細める。
「二人になれる所なんて、ホテルかどっちかの家ぐらいしかなくね?」
「はっ……!」
ギョッとする私を一瞥してほんの少し思案した彼は、スマホを取り出すとどこかへ電話を掛け始めた。
話す感じからして知り合いのようだけど……。
ものの一分くらいで電話を終えると、「行くぞ」と言い、駅方面に向かって歩き出す。
私は朝海に心の中でゴメンと謝り、どこへ行くかもわからないまま彼の背中を追った。
会場ではちょうど会が始まろうとしていたけれど、今はもうどうでもいい。
教会を思わせるような重厚な木のドアが閉まる時、マイクを使って話す司会の人の声も閉じ込められた。
丸いブラケットで優しい明かりが照らされるレストランの外には、赤い椅子と小さな丸いテーブルが設置されている。
足を止めた柊さんが振り向き、そこで手が離された。
「ここで話すか?」
「あ……出来れば、二人になれる所がいいかなって……」
ここだとレストランに出入りする人がいるだろうから、落ち着いて話が出来なさそうだし。
そう思って言うと、柊さんは意地悪そうに目を細める。
「二人になれる所なんて、ホテルかどっちかの家ぐらいしかなくね?」
「はっ……!」
ギョッとする私を一瞥してほんの少し思案した彼は、スマホを取り出すとどこかへ電話を掛け始めた。
話す感じからして知り合いのようだけど……。
ものの一分くらいで電話を終えると、「行くぞ」と言い、駅方面に向かって歩き出す。
私は朝海に心の中でゴメンと謝り、どこへ行くかもわからないまま彼の背中を追った。