裏腹な彼との恋愛設計図
そのおかげもあってか、鈴森がサポートしてくれるととてもやりやすい。

自分が直接関わるわけでもないのに、そういう情報を仕入れているあいつを、俺は少し尊敬している。


ま、あいつは単純にお客さんと仲良くなりたいだけなのかもしれないが。

それでも、一邸ずつ丁寧な家造りが出来る小さな会社だからこそ、親身になることはとても大事なことだと、俺は思う。


「あと“言った言わないトラブル”もよくあるだろ。あれも自分とお客さんとでの意思疎通が出来ていなかったり、確認不足で起こるんだ。当然、話し合いの時は常にメモを取ってるよな? これはそのメモを渡すことで防げるから──」


そこまで言って、原田さんの瞳が潤んでいることに気付く。

え、俺そんなに言い方キツかったか? それとも顔が怖かったとか?

どちらにせよ、落ち込まれるとやりづらいことこの上ない。


……あぁそうか。鈴森といい杏奈といい、冷たくしてもへこたれないヤツが俺には合っているんだな。

こんな時にまったく関係ないことで納得していると、原田さんが目元を拭って顔を上げた。

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