裏腹な彼との恋愛設計図
キリのいいところで印刷を中断し、アイスティーを持って二階へ上がると、岩坂さんは前回と同じように写真を眺めて待っていた。
「すみません、お待たせして」
「いえ、全然! 私用で近くに来たついでに寄っただけだから」
テーブルを挟んで向かい合って座ると、息を吸い込んだ岩坂さんは、突然私に頭を下げた。
「ごめんなさい、鈴森さん」
「え……えっ!? 何がですか!?」
岩坂さんに謝られるような覚えはまったくない。
挙動不審な動きをする私に、彼女は目を伏せて打ち明けた。
私達が付き合う数日前のこと。何とかして隼人さんを振り向かせたくて、私が本当は矢城くんと付き合っているのに嘘をついているかもしれないと言ってしまったのだと。
「隼人があなたのことを好きだってわかって、たぶん焦ったのよね。つい、そんな意地の悪いことを言っちゃったの。最後の悪あがきってやつね」
「そうだったんですか……」
「隼人から聞いてないのね?」
小さく頷く私。隼人さんはそんなこと一言も言っていない。
岩坂さんとの間でそんなやり取りがあったなんて驚きだ。
「でも、そんなことしたって当然無理だった。鈴森さんのことを信じられるの?って聞いたら、隼人何て言ったと思う?」
「すみません、お待たせして」
「いえ、全然! 私用で近くに来たついでに寄っただけだから」
テーブルを挟んで向かい合って座ると、息を吸い込んだ岩坂さんは、突然私に頭を下げた。
「ごめんなさい、鈴森さん」
「え……えっ!? 何がですか!?」
岩坂さんに謝られるような覚えはまったくない。
挙動不審な動きをする私に、彼女は目を伏せて打ち明けた。
私達が付き合う数日前のこと。何とかして隼人さんを振り向かせたくて、私が本当は矢城くんと付き合っているのに嘘をついているかもしれないと言ってしまったのだと。
「隼人があなたのことを好きだってわかって、たぶん焦ったのよね。つい、そんな意地の悪いことを言っちゃったの。最後の悪あがきってやつね」
「そうだったんですか……」
「隼人から聞いてないのね?」
小さく頷く私。隼人さんはそんなこと一言も言っていない。
岩坂さんとの間でそんなやり取りがあったなんて驚きだ。
「でも、そんなことしたって当然無理だった。鈴森さんのことを信じられるの?って聞いたら、隼人何て言ったと思う?」