裏腹な彼との恋愛設計図
皆が話している最中、お兄ちゃんの男の子はそわそわしながらキッズスペースのおもちゃを見ている。

私はしゃがんで目線を合わせると男の子に笑いかけた。


「遊んでいいんだよ。一緒に行こうか」

「うん！」

「すみません」


頭を下げる男の子のお母さんに、私は小さな手を取りながら微笑み返した。

子供にとっては、話し合いに付き合うのは退屈だもんね。

こうやって遊び相手になってあげる時が、仕事中の癒しになっていたりもする。


男の子がすぐそばのキッズスペースで遊び始めると、お母さんが赤ちゃんの頭を撫でながら言う。


「でも映画なんてしばらく見れないわね～。この子達が大きくなるまで無理かな」

「近くに家建てても見に行けないってのは切ないな」


苦笑し合う二人に、柊さんも柔らかな笑顔を向ける。


「お子さんが大きくなって手を離れたら、またお二人でデートに行かれるのも素敵じゃないですか。
それまで、いやそれからも、私達がお手伝いさせていただく家にお住まいになられたら嬉しいです」

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