裏腹な彼との恋愛設計図
そう言ってそそくさとコンビニから出る彼の後を、熱くなる顔を俯かせながらついていく私。

だから矢城くん!

照れながら甘いセリフを言われると、余計こっちも照れるんだってば!


そんな嬉しさと恥ずかしさを入り混じらせつつ、矢城くんに案内された場所は、キャメル色の壁にオレンジの屋根が可愛らしいお店。

一階は雑貨屋で、階段を上るとレストランになっている、小洒落た雰囲気のお店だ。


「よかった平日で。土日だとすぐ満席になっちゃうんですよ」

「人気ありそうだもんね。可愛くておしゃれで。こういうお店、女子は絶対好きだもん!」


小さめのテーブル席についてわくわくしながら言うと、矢城くんは嬉しそうに笑った。


取り分けて食べようとパスタやピザを頼み、飲み物をもらって一息つくと、私はこっそり矢城くんを観察する。

カジュアルだけどセンスの良さを感じるファッション。

作業服姿に慣れちゃっているけど、私服だとやっぱり若いなぁ。大学生って言ってもまだ通用しそう。


まだメニューを眺めていた彼は、顔を上げてストローでレモンティーを吸い上げる私ににこりと微笑む。

< 56 / 280 >

この作品をシェア

pagetop