彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
目まぐるしく変わる街の景色。
にぎわう街中を走り抜けるバイクの後ろで、私はその光景を楽しんだ。
「あははは!気持ちイイねェ、瑞希お兄ちゃん!」
「お前、切り替えが早いなー凛?」
インパルスというバイクを運転していた彼が、ミラー越しで私を見る。
それに笑顔で答える、ワ・タ・シ♪
最初は、急発進と激しい動きにびっくりしたけど、もう大丈夫。
「ジェットコースターみたいですね!」
「なんだそれ?絶叫系が好きなのか?」
「はい!上から落下する瞬間がたまりません!」
「残念ながら、こいつはそういう動きしないぞー?」
バリバリと、エンジン音を響かせながら瑞希お兄ちゃんが笑う。
一時は、最悪な雰囲気だったけど、今は通常運転に戻りました♪
お兄ちゃんの機嫌もよさそうなので、気になっていたことを聞いた。
「瑞希お兄ちゃん!どこまで行くの!?練習って言ったけど・・・」
「ああ。少しばかり、山の中に入ったグランドみたいな場所だ。」
そう言って、直進の道路を進みながら彼は言う。
「単車の練習するなら、邪魔が入らない広い場所が良いだろう?」
「え?そんな練習場があるんですか?しかも、こんな時間まで営業中?」
「いや、そういう施設じゃない。マジで、何もない山の中だ。」
「えっ!?大丈夫なんですか・・・?」
その言葉で不安になる。
私の問いに、瑞希お兄ちゃんはノホホンと答える。
「平気だろう。誰も来ない。」
「いや、そういうことじゃなくて!」
私の質問と彼の答えが食い違う。
改めて私は聞き直した。
「そこ・・・公共の施設ですか?私有地とかじゃないですよね・・・?」
偏見だけど、彼が元ヤンであることゆえの連想。
見た目はモデルだけど。
「ん?どういう意味だ?」
「はい。成人式をしたんですから、盗んだバイクで走るのと同じようなことをするのは、ちょっと・・・」
「するかよ!?」
〔★凛の疑問は否定された★〕