彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


目まぐるしく変わる街の景色。

にぎわう街中を走り抜けるバイクの後ろで、私はその光景を楽しんだ。



「あははは!気持ちイイねェ、瑞希お兄ちゃん!」

「お前、切り替えが早いなー凛?」



インパルスというバイクを運転していた彼が、ミラー越しで私を見る。

それに笑顔で答える、ワ・タ・シ♪

最初は、急発進と激しい動きにびっくりしたけど、もう大丈夫。



「ジェットコースターみたいですね!」

「なんだそれ?絶叫系が好きなのか?」

「はい!上から落下する瞬間がたまりません!」

「残念ながら、こいつはそういう動きしないぞー?」



バリバリと、エンジン音を響かせながら瑞希お兄ちゃんが笑う。

一時は、最悪な雰囲気だったけど、今は通常運転に戻りました♪

お兄ちゃんの機嫌もよさそうなので、気になっていたことを聞いた。



「瑞希お兄ちゃん!どこまで行くの!?練習って言ったけど・・・」

「ああ。少しばかり、山の中に入ったグランドみたいな場所だ。」



そう言って、直進の道路を進みながら彼は言う。



「単車の練習するなら、邪魔が入らない広い場所が良いだろう?」

「え?そんな練習場があるんですか?しかも、こんな時間まで営業中?」

「いや、そういう施設じゃない。マジで、何もない山の中だ。」

「えっ!?大丈夫なんですか・・・?」



その言葉で不安になる。

私の問いに、瑞希お兄ちゃんはノホホンと答える。




「平気だろう。誰も来ない。」

「いや、そういうことじゃなくて!」



私の質問と彼の答えが食い違う。

改めて私は聞き直した。



「そこ・・・公共の施設ですか?私有地とかじゃないですよね・・・?」



偏見だけど、彼が元ヤンであることゆえの連想。

見た目はモデルだけど。




「ん?どういう意味だ?」

「はい。成人式をしたんですから、盗んだバイクで走るのと同じようなことをするのは、ちょっと・・・」

「するかよ!?」



〔★凛の疑問は否定された★〕



< 267 / 1,276 >

この作品をシェア

pagetop