彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「凛は俺のだって言ってんのによぉー」
「ええ!?」
(お、俺の物発言キターーーーー!!!?)
〔★瑞希の発言に凛は喜んだ★〕
〔★しかし、その言葉に彼女が期待するような意味は含まれていない★〕
「独り占めするなよ~みんなの物だろー?」
「馬鹿!皇助なんぞ、パシリが出来たって喜んでるだけだろう!?モニカは着せ替え人形にしちまいそうだ!凛は俺の弟分なんだよ!今回は許すけど、妙な真似したら、オメーでも容赦しないからな烈司!?」
「はいはい、怖いなーねぇ、凛たん?」
「え!?」
そう言って笑いかけてくる烈司さん。
「まぁ、瑞希がそうするってなら、俺は反対しないけどよ。」
「だったら、黙ってついて来いっての!なぁ、凛?」
「え・・・あ、ありがとうございます。」
烈司さんにお礼を言いながら複雑な気持ちになる。
瑞希お兄ちゃんがいいなら自分もいいと言う烈司さんの言い方に、引っ掛かった。
それがなんなのか?
その答えを見つけ出す前に、烈司さんが言った
「じゃあ、来週に仕切り直しだな。俺はもちろん、他の奴ら呼んで、全員でコーチしてやるからな!」
「えっ!?み、みんな・・・」
「そうしてくれ!凛、本当は俺と二人っきりが良いかもしれねぇけど、我慢してくれよなぁ~」
「ふた・・・や、やだなぁ!何言ってんですか!?あははは~♪」
「そうだぜ。オメーだけだと、今度こそ凛たんが天国までぶっ飛ぶぞ?お前は地獄だけどな。」
「堕天使決定の奴がほざきやがれ!凛・・・とりあえず、来週の夕方に会おう。?それでいいか?」
「は、はい!いいです!」
「今日みたいに、うちの店に来ればいいからな?いっそ、迎えに行ってやろうか?」
(お迎え!それはいい!LOVEイベントの定番だけど~・・・・)
・・・出来ない。
(家を抜け出し、公衆トイレで服を着替えて、ここまで来てるんだもん・・・)
なによりも・・・
(瑞希お兄ちゃんを迎えに来させるなんて・・・・まだ早い!!)
未熟者の私にはまだ早いっ!!
「お気持ちは嬉しいですが・・・俺は修行中の身です・・・!そんな図々しいことできません!」
「修・・・お前やっぱり真面目だな、凛。」
「硬派と言えば、硬派だろう、瑞希?」
「まぁいいや。約束だからな、凛?一週間後の夕方に店に来いよ!いいな?」
「はい!わかりました瑞希お兄ちゃん!」
こうして、現在に至るのでした。