彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


瑞希お兄ちゃんに会いに行った日、お店が忙しそうだったのでお手伝いをした。

その結果、アルバイトのスカウトをされたが断った。

お金をもらえないといって、やりたい気持ちを抑えてお断りしたのだが・・・






「だったら、授業料ってことにしろよ。」






一緒にいた烈司さんから出された1つの提案。



「凛のバイクのコーチ代ってことにしようぜ!!」

「「バイク!?」」

「なぁーに、瑞希まで驚いてんだよ?こいつ、バイク乗れないって言ってただろう?」

「あ!?」

「そういえば・・・」



私、乗れなかった。


だって、15才だもーん・・・!


ああ、言っていて虚しい・・・





「ゾッキーが単車ころがせないのは、ダメだろう?」

「そうだな・・・総長させる以上、凛には単車の運転できるようにさせないとな・・・」


「あ、あの~もしもし?」



しみじみと言う烈司さんと、真剣に悩む瑞希お兄ちゃんの言葉で決まった。




「よっしゃ!そうと決まれば、凛!今から単車の練習するぞ!!」

「い、今からですか?ずいぶん、急な・・」

「思い立ったら即行動!思いついたが、吉日って言うだろう!?」




それが一週間前のこと。

だけど、あの日・・・瑞希お兄ちゃんと私は、きちんと練習できなかった。

理由は割愛するけど、怪我してお店に戻った時に烈司さんが言ったの。



「召集かけるか。」

「召集?」

「そうだよ、凛たーん。凛たんが怪我しないように、みんなで見守ろうってんだよぉ~」



ふざけた呼び方と声を出す相手に私は思う。

私をからかってるんだなぁ~と。


「その言い方やめろバカ烈司!!他の奴ら、わざわざ呼ぶことないだろう?」

「お前こそ馬鹿なんだよ、ばーか!モニカも皇助も、伊織だって気にしてんだぞ?凛にかかわる気満々なんだからよー」

「はあ?伊織もか?」

「俺もだけどな。どーする?」



ウィンクしながら言う烈司さんに、瑞希お兄ちゃんはため息をつく。

とがらせた口が、衝撃の言葉を告げる。


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