彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「そもそも、こんなことで争う必要あるまい。」
「こんなことじゃないぞ、伊織!」
「こんなことだ、瑞希。モニカのあいさつのチューぐらい許してやれ。社会に出れば、パワハラ上司は腐るほどいる。」
「ちょっと、獅子島さん!?」
(私に犠牲になれと!?)
ギョッとしながら固まれば、オネェさんとお兄さんの声が耳に届く。
「やーん!イオリンさすが!男女平等!」
「バッキャロー!凛をブラック会社に就職させる気はねぇぞ!?」
「馬鹿はお前だ、瑞希。」
真逆な反応をする2人に・・・瑞希お兄ちゃんへと、視線を向けながら眼鏡男は冷たく言った。
「温室育ちはいい花にはならんぞ?今のうちから、上手く敵を排除する方法を学ばせるのも愛だろう?」
(排除って・・・!?)
「さすが伊織ぃ!信じてた!」
「あたしだって信じてたのにぃ、イオリン!?なにあんた!?凛ちゃんを、あたしから排除する気テメー!?」
「凛道。世の中は、グローバル化だ。モニカのほっぺにチューぐらい許してやれ。」
「ええ!?それはちょっと・・・」
「あたしは無視ー!?」
モニカちゃんを喜ばせておいてから、怒らせる獅子島さんからの言葉。
瑞希お兄ちゃん以外は嫌だなぁ~と思っていれば、口元をゆがめた笑みで眼鏡は言った。
「あいさつ程度のことを、なぜ躊躇(ちゅうちょ)する?ならば、こうするか。」
「ど、どうするんです?」
「モニカがお前の頬意外にキスしたら、瑞希が責任を取ってお前に口づける。それでどうだ?」
「口!?」
「オメーの思考がどうなってんだ伊織ぃぃぃぃ!!?」
獅子島さんの提案に、真っ赤な顔になる私と瑞希お兄ちゃん。
(ば、罰則が、お口にキッス!)
それ拷問じゃなくて~~~
(ご褒美よっ!!)
〔★凛のテンションは急上昇した★〕
「そんな馬鹿な条件あるか!凛も、伊織になんか言ってやれ!俺からのキスなんて、嫌だって!」
「僕は、いいですよ。」
「りぃいいん!?」
絶句する瑞希お兄ちゃんに、私は笑顔で答えた。
「だって俺、瑞希お兄ちゃん同様、モニカちゃんも信じてますから。」
「うっ!?」
優しい言葉を使ったけど、本音は違う。