彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


パネルタッチをする瑞希お兄ちゃんに心が荒れる。

ところが、荒れたのは私だけじゃなかった。



「・・・。」

「・・・瑞希お兄ちゃん?」




画面を触っていた手が止まる。

明らかに、表情が険しくなっていた。




「瑞希お兄ちゃん、どうしたんですか?バイト先のカファから、出勤要請のメールですか?」




瑞希お兄ちゃんのバイト先は、人気店らしく、とても忙しい。

時々、人が足りないからと、おやすみなのに仕事に来てくれというメールを瑞希お兄ちゃんは受けていた。

それかと思って聞けば、画面を見たまま彼は言う。




「凛・・・あのさ。」

「はい、なんでしょう?」




表情の変化は気にはなったけど、瑞希お兄ちゃんからお声掛けの方が大事!

ハチ公みたいに(?)、背筋を伸ばして聞けば、肩に手を置かれる。





「明日さ・・・あいてるか?」


「はい!開いてます!」



「・・・・一秒も考えることなく、即答するんだな・・・」


「やだなぁ~事実だから、正直にお伝えしたまでです!」





(そうよ!瑞希お兄ちゃんが言うなら、平日だって、学校サボって休むもん!意外と、うまくいったし~)




〔★凛に変な度胸がついていた★〕




ない尻尾を振る気分で言えば、苦笑いしながら言われた。



「ははは・・・無理してねぇ?」

「してません!」

「そっか・・・それなら―――――・・・・」



一呼吸置いた後で彼は言った。





「明日、俺と出掛けてくれないか?」

「出かけます!」

「俺意外に、烈司と、伊織と、モニカと、皇助もいるけど・・・いいか?」

「もちろんです!」




さっきと同じように即答する。

大好きな貴方が望むなら、Yesしかないでしょう!?

たとえ、お邪魔虫たちがいようとも、かまいません!




「瑞希お兄ちゃんだったら、どこへでも行きます!明日は土曜日だから、朝からでも会えますよ~!?」

「そっか・・・じゃあ、明日も会おう。9時ぐれーにうちに来れるか?」

「はい!行けます!おおせのままに~」




この時私は、何も考えずに返事をした。

瑞希お兄ちゃんに誘われたから、あっさり答えた。

ただそれだけ。

後で考えれば、能天気なで無神経だったと思う。

そんな私に瑞希お兄ちゃんは、「サンキュー」とつぶやいてから、頭をなでてくれた。

< 698 / 1,276 >

この作品をシェア

pagetop