彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
パネルタッチをする瑞希お兄ちゃんに心が荒れる。
ところが、荒れたのは私だけじゃなかった。
「・・・。」
「・・・瑞希お兄ちゃん?」
画面を触っていた手が止まる。
明らかに、表情が険しくなっていた。
「瑞希お兄ちゃん、どうしたんですか?バイト先のカファから、出勤要請のメールですか?」
瑞希お兄ちゃんのバイト先は、人気店らしく、とても忙しい。
時々、人が足りないからと、おやすみなのに仕事に来てくれというメールを瑞希お兄ちゃんは受けていた。
それかと思って聞けば、画面を見たまま彼は言う。
「凛・・・あのさ。」
「はい、なんでしょう?」
表情の変化は気にはなったけど、瑞希お兄ちゃんからお声掛けの方が大事!
ハチ公みたいに(?)、背筋を伸ばして聞けば、肩に手を置かれる。
「明日さ・・・あいてるか?」
「はい!開いてます!」
「・・・・一秒も考えることなく、即答するんだな・・・」
「やだなぁ~事実だから、正直にお伝えしたまでです!」
(そうよ!瑞希お兄ちゃんが言うなら、平日だって、学校サボって休むもん!意外と、うまくいったし~)
〔★凛に変な度胸がついていた★〕
ない尻尾を振る気分で言えば、苦笑いしながら言われた。
「ははは・・・無理してねぇ?」
「してません!」
「そっか・・・それなら―――――・・・・」
一呼吸置いた後で彼は言った。
「明日、俺と出掛けてくれないか?」
「出かけます!」
「俺意外に、烈司と、伊織と、モニカと、皇助もいるけど・・・いいか?」
「もちろんです!」
さっきと同じように即答する。
大好きな貴方が望むなら、Yesしかないでしょう!?
たとえ、お邪魔虫たちがいようとも、かまいません!
「瑞希お兄ちゃんだったら、どこへでも行きます!明日は土曜日だから、朝からでも会えますよ~!?」
「そっか・・・じゃあ、明日も会おう。9時ぐれーにうちに来れるか?」
「はい!行けます!おおせのままに~」
この時私は、何も考えずに返事をした。
瑞希お兄ちゃんに誘われたから、あっさり答えた。
ただそれだけ。
後で考えれば、能天気なで無神経だったと思う。
そんな私に瑞希お兄ちゃんは、「サンキュー」とつぶやいてから、頭をなでてくれた。