【完】ヴァンパイア、かなし
そのまま二人で体育館まで走ると、そこには沢山の来場者がいて、ステージの真ん中には緊張気味の生徒が何かを話し、左の端に生徒が三人見守っている状態だった。


おそらく真ん中の生徒がプロデュースの対象者、端の一人は進行をする者、残りの二人はプロデュースをした者だろう。


「このプロデュース企画な、文化祭実行委員が推薦で選んだプロデューサー四組がプロデュースした人が、スピーチと何か特技を披露して誰が良かったか客に投票させるもんなんだって」


「そうなんだ。丁寧な説明ありがとう」


この場に、もし自分が断っていなければ立っていたのかもしれないと思うと不思議だ。


でも、変わったとはいえこんなに沢山の人の前で話したり、何かをする度胸は僕には無いから別を探してくれて安心。


《さて、このプロデュース企画も最後!トリを飾るのは、今年度最も輝いていた、女性にして応援団の三年、赤嶺和真さんと彼女を支えた三年の満島荘司ペア、そしてプロデュース対象者は……》


進行人がマイクを通して二人を紹介すると、体育館がわっと盛り上がる。


僕も拍手をし、二人とプロデュース対象者が出てくるのを待つ。


しかし、先輩達も、プロデュース対象者も、なかなかステージには姿を現さなかった。
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