【完】ヴァンパイア、かなし
ついて行けない僕なんて置いてきぼりに、僕を囲むクラスメイト達は大騒ぎ。
どうしよう。この事態、どうやって収拾つけるべきなんだ、なんて、こちらも冷静でいられないでいると、更なる嵐がやって来る。
「おーい、エルザ復活したー?」
朝一番に会いたくなかった人、満島先輩が例のごとくお構い無しに教室へと入ってきたのだ。
不幸中の幸いなのだろうか、赤嶺先輩は一緒ではないが、僕にとっては憂鬱でしかない。
どうして断ったのかとか、一回引き受けただろうとか、きっとそのような事を言われるのだろうが、一晩考えても上手い理由を見つけることは出来なかったというのに。
僕の周りを囲っていたクラスメイト達が、満島先輩が通る為に避けていく。避けなくても良いのに。寧ろ、動かないでガードしてくれれば良いのに。
「お前、何だよあのメール……って、エルザ?え、エルザ?エルザ?」
「何度名前を呼ぶのですか。エルザですが」
満島先輩の普段は切れ長の涼しげな瞳が、そのイメージすら変わってしまうほどくりんくりんと丸くなっていて、だらしなく唇をパクパクと動かしている。
どうしよう。この事態、どうやって収拾つけるべきなんだ、なんて、こちらも冷静でいられないでいると、更なる嵐がやって来る。
「おーい、エルザ復活したー?」
朝一番に会いたくなかった人、満島先輩が例のごとくお構い無しに教室へと入ってきたのだ。
不幸中の幸いなのだろうか、赤嶺先輩は一緒ではないが、僕にとっては憂鬱でしかない。
どうして断ったのかとか、一回引き受けただろうとか、きっとそのような事を言われるのだろうが、一晩考えても上手い理由を見つけることは出来なかったというのに。
僕の周りを囲っていたクラスメイト達が、満島先輩が通る為に避けていく。避けなくても良いのに。寧ろ、動かないでガードしてくれれば良いのに。
「お前、何だよあのメール……って、エルザ?え、エルザ?エルザ?」
「何度名前を呼ぶのですか。エルザですが」
満島先輩の普段は切れ長の涼しげな瞳が、そのイメージすら変わってしまうほどくりんくりんと丸くなっていて、だらしなく唇をパクパクと動かしている。