幼馴染みはイジワル課長
飛び上がろと勢いをつけた瞬間…歩未ちゃんを追いかけようとした清香さんの腕が私に思いっきり当たり、ヒールを履いていた私の足はつまずき体がよろけた。

体を支えようととしても力が入らず、私の体重はどんどん落ちていく…



すぐそこは川…

ザーーーっと水の流れる音が聞こえている…






「桜花ちゃんっっっ!」


歩未ちゃんが私に手を伸ばすけれど…その手は届かない。清香さんも私の方に手を伸ばしていたけれど、とっさに差し伸べた私の手が届くことはなかった…





「お、おい…どうした!?」


部長の声が聞こえた。

遅いよ部長…



私は背中から防波堤に飛び出して、まるで周りの景色がスローモーションのように見えた。


空が見える。

星がキラキラしているのが…この状況でもわかる…








「桜花っっ!!!」




橋の上から碧が顔を出す。

届くはずなんてないのに、気がつくと私は必死に碧に手を伸ばしていた…








「…あっ…………ぉ」








バッッッシャーーーーンッッ………!







私はそのまま夜の川の中に落っこちた…




歩未ちゃんや部長の叫ぶ声が聞こえた気がしたけれど、すぐに聞こえなくなった。









ゴボゴボゴボゴボ…




私は昔から頭も悪いし運動神経もない。


歩未ちゃんみたいに誰かに襲われても、とっさにすり抜けたり逃げたりする能力もない。

川に落っこちても泳げない…






ゴボゴボゴボゴボ…






水の中で必死にもがいてみても、どんどん苦しくなるばかり…

体が重くて段々沈んでいく…

水が口の中に入って…苦しい……






苦しい…


苦しいよ碧…







助けて…







真っ暗な水の中で…私はそのまま気を失った…








碧ともう会えないのかな…




私はこのまま死ぬの…?





川の中で一人ぼっちは嫌だよ。




どうせ死ぬなら碧の側で死にたい。









碧…

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